2018.10.16.Tue
家づくりの基礎知識~知っていると安心~
戸建住宅を建築する際、「間取りはこんなのがいいな」、「壁紙はどうするのか?」など内装に関心を示す人が多いのではないでしょうか。 以外に家が建つまでの流れとなると「よく分からない」と答える人も少なくありません。 しかし、家を建てる際にとても重要なのが、「基礎工事」です。 基礎工事をしているかどうかで建物の耐久性能まで左右されます。
今回はこれから家を建てることを検討している方、家づくりに興味がある方などに戸建住宅が完成するまでどにような作業を行うのかを分かりやすく紹介したいと思います。
~基礎工事とは何?~
基礎工事とは、建築の土台部分(→基礎部分)を造るための工事のことです。基礎は建物の全てを支える土台であり、建物の「命」そのもの。 その土台を(基礎工事)しっかりしてこそ建物の寿命を長くするのです。 ただし、基礎の下には地盤がありますので、基礎工事を行う前にしっかりと地盤調査をし、必要があれば地盤改良工事を行い、その土地や建築する建物に合わせた基礎工事を選ぶことが大切です。
ベタ基礎
ベタ基礎(防湿基礎)は、現在多くの住宅で取り入れている基礎工事の方法で、 建物の下の土地に鉄筋を施してコンクリートを流し込み面で建物を支え、安定性が高く、地震の揺れや不同沈下にも強い造りになっています。 ベタ基礎は、コンクリートがあるためにシロアリが地中から床下へ侵入することを防いだり、地面から上がってくる湿気も防ぐことができるのです。 ただし、コスト的には布基礎より割高です。
布基礎
布基礎は建物の柱や壁の部分にコンクリートを打設(建設基礎となるコンクリートを枠の中に流し込むこと)する基礎工事の方法です。ベタ基礎が”面”で支えるのに対して、布基礎は壁面に沿って”線”で支えると考えれば分かりやすいでしょう。 今はベタ基礎が主流ではありますが、地盤がしっかりしている土地、既に丁寧に地盤改良がおこなわれている土地であれば問題ありません。 布基礎はベタ基礎とは異なり、一面を鉄筋コンクリートで覆わないため湿気が住宅に伝わりやすい・シロアリなど害虫の侵入する可能性もあることから防湿シートやコンクリートを敷設することでベタ基礎と同様に防ぐことができます。 また、ベタ基礎のようにコストがかからないため、費用を抑えられます。 そこまで基礎にこだわりがないのであれば、価格が安い布基礎を選ぶのも1つの方法です。
~「基礎工事」施工の流れについて~
基礎工事の流れについては、一般によく用いられるベタ基礎を例にとって、ご紹介しましょう。
①地縄張り(遣り方工事)
まずは、建物の配置が分かるように、基礎の外周に縄やロープを使って印を付ける工程です。 「遣り方工事」とも呼ばれています。
②根切り(掘削工事)
建物基礎の底面の高さまで、パワーショベルなどの重機を使って土を掘り出す工程です。
③砕石敷き
砕石(細かく砕いた石)を敷地全体に敷き、地面を転圧する機械を使って地盤を固める工程です。
④除湿シート敷き・捨てコンクリート
砕石の上に防湿シートを敷き詰めた後に、建物を建築する位置を間違えないように、印を付けつるためのコンクリートを流し平らに均す工程です。 コンクリートが乾いた後、正確な距離を測るために墨出しをする作業をします。
⑤配筋(鉄筋組み)
捨てコンクリートに記された墨を確認し、鉄筋を決められ位置に並べ組む工程です。配筋は基礎の要となる重要な作業です。
⑥外周の型枠を組み、ベース部分のコンクリート打設
基礎外周にコンクリートが漏れないように型枠を組み、ベース部分のコンクリートを打設します。
⑦基礎内部の型枠を組み、基礎内部のコンクリート打設
基礎のベース部分のコンクリートが乾いたら、内部の立ち上がり部分の型枠を組み、コンクリートを打設します。
⑧型枠を外し、雑コン・仕上げ
コンクリートの強度が出るまで養生をしたら、型枠を外します。 基礎の立ち上がりの位置は建物の重量を支えるために柱や壁に合わせているので、型枠を外すと間取りがはっきり分かるようになります。 その後、仕上げ作業として勝手口の土間や給湯器位置場などのコンクリートを打設したり、不要なコンクリート除去したりといった仕上げ作業を行います。
⑨基礎完成
こうして基礎が完成となり、次の木工事の工程へ進みます。
今回、ご紹介した家づくりにおける基礎工事は、とても重要な工事です。ベタ基礎と布基礎にはそれぞれに特徴があり、建築する家の工法によって適切な基礎工事があることを理解しておきましょう。 工事内容について分からないことは、現場監督や現場の職人さんに「今はどんな作業をしているのか」と聞いて、教えてもらうことも大切です。 また、工事について不安を感じることがあるときは、職人さんに聞くよりも、担当営業を通して質問するのが良いでしょう。
イシダホームでは、お客様が心からご満足いただける住宅であるために、分からないことやお困りことがありましたらお気軽にご相談ください。